頭痛について

怖い頭痛と、怖くない頭痛

頭痛はありふれた病気です。
頭痛のほとんどが、命にかかわらない『怖くない頭痛』ですが、
一部にはほっておくと命に係わる『怖い頭痛』があります。
これを区別することがとても大切です。

怖くない頭痛

筋緊張性頭痛

代表的なものは、『筋緊張性頭痛』『片頭痛』『群発頭痛』などがあります。

肩こりは感じない人が70%ほどいるらしく、頭痛の原因として、肩こりですね。と言われて釈然としない顔をされる方が多くおられますが、肩こりのお薬を一度試された方は、皆さん楽になっています。

肩こりがひどくなる寒暖の差のある時期や、同じ姿勢での業務が長時間続くなどの時に、昼過ぎ当たりからしんどくなりやすく、締め付けられたり、移動したり、重くだるい、下を向いて上を向くとクラっとするなど訴え方が様々なことも特徴の一つです。
最近は、携帯型の道具が進化して、皆さん誰もがその恩恵に触れていると思いますが、使い方によっては、子供の時から頭痛が発症しやすく注意が必要です。
以前は、携帯型ゲーム機などは30分経ったらそろそろ伸びをしませんか?
とかそろそろやめましょうと、アナウンスが入っていました。
最近の携帯や、携帯型ゲーム機は、大人が使うことが多くアナウンスが
ありません。したがって、小児期から肩こりによる頭痛が起こっている
傾向が高いと私は感じます。
対処法の一つは、頭の位置です。
頸椎は、7つの骨が盾につながってます。頭は、体重の1/10の重さだそうです。
荷物を持つときに、腕を伸ばして持つのがきついことはわかりますよね。
真上に持ち上げると楽ですよね。首も同じです。
猫背になったり、前傾姿勢は、肩こりを増長させます。
うたた寝も厳禁です。首を休めるようにして、生活を構築すれば、
筋緊張性頭痛は、予防できると考えます。どうしても我慢ができなくなったら、
通常の売薬でチャレンジしてみてください。
ダメなときは、病院受診すれば、いいお薬をもらえますよ。

 

片頭痛

 

ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こります。
 若い人に多いです。発作的に起こり吐き気を伴ったりする、
 とてもつらい頭痛です。

身体を動かすのが辛くなり、光や音の刺激で悪化したり(光過敏・音過敏)、
匂いに敏感になったりします。周期的に起こり、日常生活に支障をきたして、
仕事や家事を休まざるを得ないこともあります。
生理の前後に多く起きたり、前触れとして、
視界に何かチラチラ・ギラギラするものが拡がったり(閃輝暗点)、
手足のしびれ・脱力を感じたり、下痢などの腹部症状、
言葉の喋りにくさが起こったりすることがあります。

治療薬としては、トリプタン製剤が一般的です。
トリプタン製剤も数種類あり状態によって使い分けが存在するので、
数種類のお薬を順番に試していくことが必要です。
いつもの頭痛がたまにある程度で、そのつど鎮痛薬で
治まるようなら問題はないでしょう。
しかし頭痛が頻繁にあるからと痛み止めを飲み続けていると、
だんだん効き目が悪くなってくることがあります。
さらには頭痛がかえって重くなってくることがあり、
そうなると日常生活に支障をきたすようになります。

1か月に10回を超える片頭痛を経験される方も増えており、
予防薬というのもあります。
ミグシス(ロメリジン)、インデラル(プロプラノロール)、
デパケンR・セレニカR(バルプロ酸)、トピナ(トピラマート)、
トリプタノール、呉茱萸湯などで定期的に内服することで
発作頻度を抑制します。

さらに、最近では、新しい片頭痛治療薬「エムガルティ」「アイモビーグ」
「アジョビ」などのヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤を使った治療が、
選択できるようになりました。
これは、使用し続けることで、発作回数の減量(薬を飲む回数の減少)が
期待できるお薬です。
新薬のため、値段が高いことがしられています。
1月に13000~27000円程度

色々な内服薬を試されても、頭痛でただ、漠然とロキソニン等を
服薬して我慢している方々、もしかしたらそれは片頭痛かもしれませんよ。


一度脳神経外科を受診してみてください。